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甲羅のひみつ

甲羅は「着ている」のではなく「体そのもの」。骨格から鱗板の名前まで、亀のいちばん有名な部分を解剖します。

頭側 ↑項甲板椎甲板(5枚)肋甲板(左右4枚ずつ)縁甲板(ふちをぐるり)

甲羅は、骨です

亀の甲羅は、鎧のように「着ている」ものではありません。肋骨と背骨が大きく広がって板になり、皮膚の中で生まれた骨と合体してできた、体そのものです。つまり甲羅の内側には背骨が通っていて、亀が甲羅から出ることは、人間が肋骨から出られないのと同じくらい不可能です。

骨の甲羅の表面を覆っているのが「鱗板(りんばん)」と呼ばれる板で、素材は爪や髪と同じケラチン。骨の継ぎ目と鱗板の継ぎ目はわざとずらして重なっており、これが甲羅の強度の秘密のひとつです。

鱗板には、ぜんぶ名前がある

背中側の甲羅(背甲)の鱗板には、一枚ずつ名前がついています。中央を縦に並ぶのが椎甲板(ついこうばん)、その左右に並ぶ大きな板が肋甲板(ろっこうばん)、ふちをぐるりと囲む小さな板が縁甲板(えんこうばん)、首の上の一枚が項甲板(こうこうばん)。図鑑で種を見分けるとき、研究者はこの鱗板の数や形を数えています。

ちなみにお腹側の甲羅は「腹甲(ふっこう)」。背中とお腹は体の側面でつながっていて、この構造ごと含めて甲羅です。

成長線 — 甲羅の年輪

鱗板をよく見ると、木の年輪のような線が刻まれていることがあります。これは成長線(成長輪)。成長が速い季節と遅い季節の差が線になったもので、年齢のおおまかな目安になります。ただし年に複数の線が入ることも、すり減って消えることもあるので、「線の数=年齢」と言い切れないのが正直なところです。

水棲の亀の中には、成長にあわせて鱗板の表面が一枚ずつ薄く剥がれて生え替わる種もいます。水槽に透明な板が浮いていたら、それは甲羅の脱皮かもしれません。

よくある質問

Q. 甲羅に感覚はある? — あります。甲羅には神経が通っていて、触られれば分かりますし、こすられると気持ちよさそうにする亀もいます。「ただの入れ物」ではありません。

Q. 甲羅がひび割れたら? — 甲羅は骨なので、ひび割れは骨折と同じです。市販の接着剤などで対処しようとせず、爬虫類を診られる動物病院に相談してください。

Q. 亀甲文様の六角形はどこから? — 甲羅の鱗板、特にリクガメなどの椎甲板・肋甲板の形に由来すると言われます。詳しくは「亀のことば辞典」の亀甲の項へ。

亀のことば辞典