特集

亀暦(かめごよみ) — 亀でめぐる一年

亀の記念日、産卵の季節、俳句の季語まで。カレンダーを亀で埋めていく、カメ部公式の一年です。

春 — 「亀鳴く」季節

俳句の世界には「亀鳴く」という春の季語があります。実際には亀は鳴きません(音を出すことはあります)が、春の水辺で亀が鳴いた気がする——という、なんとも風流な想像の季語です。

実際の春は、冬眠明けの季節。池の亀たちが石の上にずらりと並んで甲羅干しを始めたら、亀暦の一年のはじまりです。

黒い砂浜で甲羅干しするアオウミガメ
甲羅干しの達人。ハワイ・プナルウの黒砂海岸にて ・ 写真: Brocken Inaglory, Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)

夏 — 記念日ラッシュと産卵の季節

5月23日は「世界亀の日(World Turtle Day)」。2000年にアメリカの保護団体American Tortoise Rescueが制定した、亀を知り、守ることを考える日です。続く6月16日は「世界ウミガメの日(World Sea Turtle Day)」。ウミガメ保護の父と呼ばれるアーチー・カー博士の誕生日にちなみます。

そして日本の砂浜では5〜8月がウミガメの産卵シーズン。夜の浜辺に母亀が上陸し、夏の終わりには子亀たちが海をめざします(ウミガメの産卵へ)。亀暦でいちばん熱い季節です。

秋 — 放生会と、旅立ちの季節

秋は放生会(ほうじょうえ)の季節。捕らえた生き物を放して功徳を積む仏教行事で、筥崎宮(福岡)や石清水八幡宮(京都)の放生会は千年以上の歴史を持ちます。かつては亀もその主役でした(現代の放流は生態系への配慮が必要です——亀と神社へ)。

海では、夏に生まれた子亀たちが黒潮に乗って旅立つころ。日本生まれのアカウミガメは、はるか太平洋の向こうまで泳いでいきます。

冬 — 眠って、越える

水温が下がると、日本の亀たちは水底や土の中で冬眠に入ります。ほとんど動かず、わずかな呼吸で春を待つ——2億年磨き続けた省エネ設計の見せどころです。

ちなみに7月2日は「たわしの日」。亀の子束子西尾商店が特許を取得した1915年7月2日にちなみます。亀の名を冠した道具が100年以上台所を守っているのも、亀暦に加えたい日本の風景です。

カメ部・亀暦カレンダー

まとめて一覧に。手帳に書き写す際は、5月23日だけは絶対に忘れないでください。

・5月23日 — 世界亀の日
・5〜8月 — ウミガメ産卵シーズン(日本)
・6月16日 — 世界ウミガメの日
・7月2日 — たわしの日(1915年特許取得日)
・8月ごろ〜 — 子亀の孵化・旅立ち
・9月12〜18日 — 筥崎宮 放生会(福岡)
・晩秋〜春 — 冬眠(本州の野生の亀)
・春 — 季語「亀鳴く」・冬眠明けの甲羅干し

ウミガメの産卵亀のことば辞典